WAS
WASとは、WAN高速化装置のことです。
WAS:WAN Acceleration System
ネットワークにおいて、ボトルネックになる可能性が高いのは「WAN」です。
そのため、WASを用いることで、WAN通信を高速化させることが必要な場合があります。
WASは、WAN通信を行う両端のルータに接続して使います。
送受信側の両方にWASがないと、動作しません。
※片方にだけWASがあると不具合が起きてしまうため、片側設置はNGですし、片方が故障した場合は、WASの機能を停止する必要があります。
WASの機能
WASの機能は大きく分けて「データ圧縮」と「代理応答」です。
それぞれ説明していきます。
データ圧縮
WASでは、受信したデータの中のビットのパターンを記憶し、圧縮します。
そして、それをキャッシュしておくことで、次回同じデータ(ビットのパターン)を受信した際に、キャッシュしておいた圧縮後のデータに置き換えて送信することで、WANに流れるデータを小さくします。
このデータ圧縮により、WAN高速化が実現されます。
動作のイメージとしては、以下の通りです。
①データ送信側のWASがデータ[XXXX]を受信する
②そのまま受信側のWASに[XXXX]を送信しつつ、[XXXX]=[1]に圧縮し、キャッシュする
③データ送信側のWASがデータ[XXXXYYYY]を受信する
④受信側のWASに[1YYYY]を送信しつつ、[YYYY]=[2]に圧縮し、キャッシュする
この動作を繰り返すことで、送信するデータはどんどん圧縮されて小さくなっていきます。
代理応答
代理応答では、受信側の機器の代わりにWASが[ACK]を返すことで、WAN高速化を実現します。
TCPの通信において、データ送信側に対して、受信側から[ACK]が返ってこないと次のデータが送信できないようなプロトコルがあります。
そういった場合に、送信側のWASにデータが届いた時点でWASが[ACK]を返します。
これにより、WAN通信でやり取りされる[ACK]が大幅に減少しますし、データを次々と送信できるので、WAN高速化を実現できます。
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